皮下点滴と静脈点滴
人で点滴というと基本的には静脈点滴になります。
動物の場合には、皮下点滴と静脈点滴があります。
皮下点滴の場合には、通常肩甲骨の部分に点滴を入れます。
決まった量がないので、犬だと50~500ml(大型犬の場合など)
猫だと50~250ml位入れることがあります。
慢性腎不全の場合には、自宅で実施してもらうこともありますが、皮下点滴の適切な量と効果についてのしっかりとした
エビデンスは今のところありません。しかしながら治療している獣医師は、多少なりとも効果は実感していることが多いです。
メリットは、①短時間でできる ②自宅でも可能(病院によって実施して良いという場合とだめな場合があります) ③安価 ④入院しなくてすむなどです。
デメリットは、薬などを混ぜにくい。おもりの測定器を使用しないとどの程度の量が入ったかの正確性が低い。
静脈点滴の場合、血管に持続的にゆっくり入れるため心臓が悪い場合なども良いことが多いですが、急速に入れられないので
半日~数日の入院が必要になります。
ある程度のブドウ糖や脂質・アミノ酸も入れられますが、1日必要な栄養となると高栄養輸液になり血管が炎症を起こしやすくなるため
小型犬や猫では、前足の血管だけでは難しいです。
人と違い、動物の性格、飼い主さんの性格、現在の病気と状態の良し悪しなどトータル的にどの方法が良いのかを相談して決める必要があると思います。