心筋症(動脈血栓塞栓症)
現在入院中ですが、心筋症から血栓ができて後肢が動かなくなる子がいます。
元々は、タワーから落ちたからなのか後肢が全く動かないということで来院されました。
触診をすると股脈が感じられず後肢の肉球も色が白くなっていて
典型的な動脈血栓症の状態でした。
もともと猫では心筋症が、心臓の病気では多い病気です。
メインクーンやラグドールなどでは遺伝的にもなりやすいと報告されています。
初期だと血栓溶解療法や子牛の血管からバルーンを入れて血栓を除去したりします。
今回は時間も半日くらいは経過していたので内科治療にしました。
2日目に右後肢の血流が回復をして4日目に左後肢の血流も回復をして、左後肢のましはまだ少しありますが
心配をしていた再灌流障害なども起きずに、今のところ順調に回復しています。
このように猫では心筋症により、肺水腫や胸水がたまり呼吸器症状を出す場合と血栓がつまることで色々な臓器に
障害が起きることがあります。